デバイス接続からデータ活用までワンストップで提供

―― 確かに通信を提供できるプレイヤーは限られますね。

原田 ここで特に重要なのが、センサーのサポートです。センサーによって製造メーカーや取り扱い企業が異なる上、それをネットワークに接続するには高度なノウハウが必要だからです。実際、センサーの接続で壁にぶつかり、ここで時間がかかってしまうケースも少なくありません。そこでKDDIではセンサーを2,000種類以上用意し、ネットワークへの接続からサポートしています。もちろん、その上位レイヤのデータ分析やデータ活用もカバーしています。

―― そのほかに、KDDIならではのものはありますか。

原田 2017年6月にスタートした「KDDI IoTクラウド Data Market」も、当社ならではのサービスの1つです。これは、KDDIのお客さま同士で蓄積したデータの流通を行える仕組みです。

例えばKDDIのお客さまの中には、車載センサーによって車がどこを走っているのかというデータを取得している企業さまがあるのですが、このデータを流通業のお客さまに提供することで、ロードサイドの出店計画に活かすことが可能になります。また、他社のデータと自社のデータを組み合わせることで未来予測をより精密に行う、といったことも容易になるでしょう。天気予報や都市計画といった、IoT以外のデータを組み合わせることも可能です。KDDIではお客さまにデータマーケットへの参加を呼びかけており、1社に閉じないデータ活用を目指しています。

 

―― ほかにはどのような強みがありますか。

原田 グローバル対応可能な点もKDDIの重要な特長です。グローバルM2Mを2013年に提供開始しており、2016年6月からはトヨタ自動車さまと「グローバル通信プラットフォーム」の構築も進めています。これは単一SIMでローミングを行うことなく、自動的にローカルキャリアに切り替えて通信できる仕組みです。もともとはトヨタ自動車さまの「つながるクルマ」を実現するためのものですが、ほかの企業さまによる採用も進んでいます。

―― 最後に、これからIoTに取り組む企業へのメッセージをお願いします。

原田 海外では既に、IoTによる自社製品の強化や新たなビジネスモデルの開拓が積極的に進められています。日本企業でも社内の効率化だけでなく、このような取り組みが広がっていってほしいと思います。どこから手をつけていいのかわからないというケースも多いかもしれませんが、KDDIはIoTを小規模で試すところから、それをビジネスにつなげていくところまで、一貫したサポートを行います。未来の新しい収益を生み出したい方、新しいビジネスを創出されたい方がいらしたら、ぜひご相談いただきたいと思います。