『KDDI SD-Network Platform』では、企業内ネットワークやインターネット回線に『SD-BOX』というKDDIの提供する多機能ルータを設置するだけで、アプリケーション単位のトラフィック状況をリアルタイムで確認することが可能となります。これによってアプリケーションの利用状況の把握が可能となり、どのようにネットワークを見直していくのが良いかを把握することができます。

 また、『SD-BOX』は既に利用している回線やサービスを活用して素早く導入できるほか、モバイル通信(LTE)も組み合わせたネットワークの構築が可能だ。構築もゼロタッチプロビジョニングによって、管理者が不在の小規模拠点や海外拠点などでも簡単に行えるなど、小さく早く必要な個所を最適化してくためのプラットフォームを実現しました」

 

 もちろん、トラフィックを可視化して問題を把握した後の対策もKDDIでは用意している。

 「トラフィックの可視化によりネットワークの見直しが必要だと分かれば、トラフィックをコントロールするための機能をSD-BOXに追加することで、ピンポイントで効果的な対策が可能になります。また、機能の拡張性だけではなくハードウエアのスペックもお客さまの利用状況に合わせて選択・変更できるように準備しています。従来のように、一度導入したらすぐには変更できないネットワークではなく、環境の変化にあわせ、小さくはじめて柔軟に拡張できるのが『KDDI SD-Network Platform』の特徴の一つです。」と梶川氏。

 SD-BOXは必要なときにすぐに使える導入の容易さに加え、サブスクリプションモデルでの課金になるため、一度トライアルで導入してみるなどトライ&エラーもしやすくなっている。またグローバルでの提供も予定しているため、SD-BOXを集中的に管理することで、リモートでの運用と監視を行いガバナンスの強化につなげるなど、活用方法はいろいろと考えられる。

重要度を増すセキュリティにも配慮、今後も進化しつづけるサービスへ

 さらにクラウドサービス利用の際に懸念を持たれることの多いセキュリティにも配慮し、『KDDI Security Cloud』というクラウドプロキシ型セキュリティサービスも同時に提供を開始する。

 『KDDI Security Cloud』は、グローバルでの利用が可能で、利用者や機能の拡張にも柔軟に対応できる上、利用するクラウドサービスの可視化により、シャドーITの対策なども行うことができる。加えて、ウェブサイトやメールに対しても、増加する標的型攻撃やマルウェア対策に有効なサンドボックス機能や不適切なメールの添付画像を監視するイメージコントロールなどで、安全な運用をサポートする。

 「『KDDI SD-Network Platform』は、ネットワークに様々な付加価値をアドオンしていくために、これからも進化を続けていきます。お客さま優先度の高い機能を短い周期で開発し、機能拡張を続けていくことで、お客さまのビジネス成長に貢献していきたいと思います。まだ検討段階ではありますが、ネットワークの品質やトラフィック増加の傾向を予測して、モバイルによる迂回や帯域の拡張をインテリジェントに行い品質を維持するナビゲーションのような仕組みや、お客さまがモバイルをもっと自由に活用するためのサービスなど拡張してきたいと考えています。KDDIは常にお客さまに寄り添い、お客さまのビジネスへの挑戦に『KDDI SD-Network Platform』という新たなネットワークサービスで、全力で応えて参ります」と梶川氏は話す。

 クラウドサービスの利用が活発になりビジネスとの連携が重要性を増している現在、クラウドファーストを実現する『KDDI SD-Network Platform』は、注目すべきネットワークの新サービスだ。